著者と同年代、同じ分野への興味、同じような自分自身への問題意識をもっているせいか、ところどころに出てくる著者のごく主観的な意見に、顔を赤らめてしまうような恥ずかしさがあります。やけに自慰行為の例が多いとか。内容は良いと思いますが、もう少し客観と主観のメリハリがあると落ち着いて読めると思うのですが。・・・私だけかもしれませんが。
飽きっぽくて掃除の苦手な「グズ」なあなたへおすすめ度
★★★★★
締め切りが守れない。書類の整理や掃除が苦手。すぐに目移りしちゃって仕事が進まない。そんないわゆる「グズ」の私にとって、「ロボット」が原因だったなんてびっくりです。
ここでいう「ロボット」とはいろんな行為や作業を効率化・自動化する人間の脳の仕組みのこと。この仕組みのせいで、人間は得もしてるし、苦労もしているそうです。
「掃除ができない女たち」も「禁煙中の男たち」も「すぐに新しい携帯電話に機種変更しちゃう人たち」も必見です。実はどれも根っこは同じみたいですよ。
それにしても、黒地に黄色の文字って目立ちますね…。(^^;
「飽きること」の心理学的探求
おすすめ度 ★★★★★
書店で手に取ったときは,ヒトとロボットの認識論的問題を扱った哲学的な書かと思ったが,全く関係なし.「飽きっぽさ」とは何か,また,それがヒトにとってどのような意味をもつかを真剣に考えた意欲的な一冊である.
ヒトがもつ2つの側面として,新しいものを求める性質であるネオフィリアと,繰り返し同じ作業を行うことで自動化が起こる学習装置としてのロボットを提案し,それらの関連を示しながら議論が展開されている.飽きることのメカニズムとその対策,さらには,飽きること自体が,現代社会の発展と表裏一体であることなどを述べている.薄い本なので,短時間で読めてしまうことも良い.