回路設計の考え方がわかりますおすすめ度
★★★★☆
「抵抗,コンデンサ」という題からするといろいろな種類の部品が
載っていて,「この用途にはこの種類の部品を使え」等々の説明が
列挙されている本と受け取りがちですが,サブタイトルの「仕様に
最適な電子部品を選ぶために」という所がこの本のミソです.
人が書いた回路図を見て以下のように思うことがある人は読んでみ
てはいかがでしょうか.
・100Ωでも10kΩでもいいはずなのにこの定数に決めたのはなぜ?
・ここにはコンデンサが1個だけなのにこっちにはたくさんあるのはなぜ?
・こっちの回路にはこのオペアンプが使ってあるのにこっちの回路で
はこのオペアンプにしたのはなぜ?
・+2.5Vはいい加減に作ってあるのに+5Vは頑張って作ってあるのはなぜ?
・ADコンバータの回りはやけに部品が多くていろいろ手を施してある
けどこんなに神経質になる必要があるの?
・理由がよくわからないまま人の回路を真似てしまった
・データシートにあるサンプル回路をよくわからずそのまま丸写しした
必要な回路仕様があって,それを実現するために設計者はどう考
えたのか,その性能を出すために回路のどこに注意しなければい
けなくて,どこは気にしなくてもいいのか等々,その回路に決めた
理由が書かれています.考え方が大変参考になりました.6章7章
が秀逸です.